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『青春を山に賭けて』 植村直己 【読書感想】

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あらすじ

家の手伝いからは逃げ、学校ではイタズラばかりしていた少年は、大学へ進んで、美しい山々と出会った。――大学時代、ドングリとあだ名されていた著者は、百ドルだけを手に日本を脱出し、さまざまな苦難のすえ、夢の五大陸最高峰登頂を達成する。アマゾンのイカダ下りもふくむ、そのケタはずれな世界放浪記。解説・西木正明 — 本書より引用

読書感想

ヨーロッパアルプスを皮切りに各大陸の最高峰に挑んでいこうという単純ながらその行動力と実現する強固な意志に圧倒される。彼には資金もツテもない。すべての扉を自力で見つけ出しこじ開けていく。

そして渡った先では常に文化も言葉も異なるが植村直己にとってそんなことは些細な事なのかもしれない。

人種や文化や言葉の壁を乗り越えて現地の人々の優しさに恵まれ言葉が通じない人々と友情を育み山々を踏破していくのだ。

これは植村直己という人間力が成したことと言えよう。 国境は人が生み出したもの、国境の線が見えるかどうかは人それぞれに異なるのかもしれない。

植村直己の目を通して世界を眺めれば、そこには国境などというものは無く、言葉や文化の壁も存在しない。

彼は冒険家として山や僻地だけを愛しているわけではなく、人も自然も地球上にあるすべてを愛した人なのだろう。

南極横断を夢のまま冬のマッキンリーに消えた植村直己は、ついにこの地球と1つになったのだと思える。

著者について

植村直己(うえむら・なおみ)
1941(昭和16)年、兵庫県生れ。明治大学卒。日本人初のエベレスト登頂をふくめ、世界で初めて五大陸最高峰に登頂する。南極を犬ぞりで横断することを目標に、72~73年地球最北端の村シオラバルクにて極地トレーニング。76年には2年がかりで北極圏1万2000キロの単独犬ぞり旅を達成、78年には犬ぞりでの北極点単独行とグリーンランド縦断に成功。その偉業に対し菊池寛賞、英国のバラー・イン・スポーツ賞が贈られた。南極大陸犬ぞり横断を夢にしたまま、84年2月、北米マッキンリーに冬期単独登頂後、消息を絶った。国民栄養賞受賞。 — 本書より引用

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