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『重力とは何か』 大栗博司 【読書感想】

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あらすじ

私たちを地球につなぎ止めている重力は、宇宙を支配する力でもある。重力の強さが少しでも違ったら、星も生命も生まれなかった。「弱い」「消せる」「どんなものにも等しく働く」など不思議な性質があり、まだその働きが解明されていない重力。重力の謎は、宇宙そのものの謎と深くつながっている。いま重力研究は、ニュートン、アインシュタインに続き、第三の黄金期を迎えている。時間と空間が伸び縮みする相対論の世界から、ホーキングを経て、宇宙は一〇次元だと考える超弦理論へ。重力をめぐる冒険の物語。 — 本書より引用

##読書感想

遠い星の光は何万年、何億年という時間をかけて地球に到達するという話は聞いたことがある。

それならば137億年前の宇宙誕生の様子も光を通じて地球へと届いてくるわけで観測できるのではと思う。だが、宇宙は誕生から40万年のあいだ、超高温のプラズマ状態であり、光で様子を確認することができない。

しかし重力波を通じてならばそれができる、つまり、重力波を可視化できれば宇宙誕生の謎も解けるかもしれないというのだ。

なんとワクワクする話であろうか。 重力とそれを解き明かしてきた人類の歩みを丁寧に説明してくれる一冊だった。

著者について

1962年生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。理学博士。東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現在、カリフォルニア工科大学カブリ冠教授および数物天文部門副部門長、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)主任研究員。専門は素粒子論。超弦理論の研究に対し〇八年アイゼンバッド賞(アメリカ数学会)、高木レクチャー(日本数学会)、〇九年フンボルト賞、仁科記念賞受賞。著書に『素粒子論のランドスケープ』(数学書房)がある。 — 本書より引用

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