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Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ) M-1グランプリ応援記事

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お笑い、とくに漫才が好きです。

M-1グランプリ 2020

年末と言えば「M-1グランプリ」が開催されますね。

これを書いている2020年11月22日現在は、準々決勝が終わり、準決勝進出25組が決定しています。

毎年楽しく視聴させていただいているこの大会ですが、今年はひとつ思い入れを持って追っています。

個人的にもっとも応援していますのが、上記画像の「Dr.ハインリッヒ」というコンビです。

結成15年目のコンビのためラストイヤーでもあったのですが、惜しくも準々決勝で敗退となってしまいました。

望みはこれで完全に断たれたわけではなく、「M-1グランプリ」と動画配信サービス「Gyao」による、「Gyao!ワイルドカード」という準々決勝敗者復活企画があるのです。

準々決勝で敗退した芸人さんの動画がGyaoにあがっており、視聴数がもっとも多かったコンビないし、トリオが準決勝に進むことができるという企画です。

私としては、Dr.ハインリッヒにこの枠を勝ち取っていただいて、決勝まで勝ち進み、全国に彼女たちの漫才が届けばいいなと願っている次第です。

そして、みごと優勝するまでの妄想はしっかりできている自信があります。

Dr.ハインリッヒとは

最近少しずつ増えてきたとはいえ、やはり圧倒的に男性が多い世界においてはめずらしい女性二人の漫才師によるコンビです。

京都出身の双子だそうで、とてもよく似た声と声による掛け合いが不思議な空気を生み出すところも魅力のひとつです。

彼女たちの漫才のもっとも魅力に感じている点は、「既存概念を細かく粉砕し撒き散らし、優美な所作でもって再びひとつの円環へと紡ぎあげる」ところです。

はい、何を言っているのかわかりませんね。

上記の動画は、Dr.ハインリッヒの漫才に登場するワードを基に作られた映像です。

コンビニやファミレスなど身近な設定を用いて繰り広げられる漫才が多いですが、Dr.ハインリッヒのネタはそもそもの設定が一味も二味も違います。

まるでSFの世界のように、時間や空間がしばしば歪んでいます。

そして、2つの相似した突き抜けるようなハイトーンボイスによって表現されたこの無限に広がった世界は、「オチ」という結末によりひとつの塊へと収束するのです。

Dr.ハインリッヒの漫才を聞くたび、私はいつも宇宙を感じます。

幸(みゆき)さんが生み出すおよそ凡人にはなかなか理解しがたい世界観を、ツッコミである彩さんは否定しないのですよね。

受け止め乗っかっていくことで幸さんを独りぼっちにさせません。

そして、おおきな動作を交えながら観客側に幸さんの世界観の素晴らしさを翻訳し、両者を結びつけてくれます。

最初は戸惑っていた観客(かつての私)も、その世界のおもしろさ素晴らしさに気づくことができたとき、歓喜が訪れます。

以前からごく普通の熱量でお笑い番組を見たり楽しんで生きてきましたが、Dr.ハインリッヒの漫才を知り、私は漫才が大好きになりました。

それまで囚われていた価値観や思考を取りはらい、何も見えていなかった私の視力を1兆倍ぐらい引き上げてくれたのです。

「M-1」で女性コンビが優勝すると「THE W」はどうなる

お笑いのコンペ形式の大会に「THE W」というのがあります。

女芸人No.1決定戦 THE W - Wikipedia

「THE W」の「W」は「Woman」の「W」なのでしょう、女性芸人の頂点を決める大会です。

「THE M」という大会はありません。

ああ、「M-1」の「M」が「漫才(Manzai)のM」ではなく、「ManのM」っていうことか。

と言いたくなるのも「M-1」の歴代優勝コンビのなかに女性は「ゼロ」なのですね。

M-1グランプリ - Wikipedia

どの芸人さんの漫才も毎年おもしろく楽しませていただいています。

だけれども、Dr.ハインリッヒに風穴をあけてほしい気持ちが正直あったりします。

Dr.ハインリッヒが優勝することで笑いという表現の幅がグッと広がり、女性の審査員が増えたり、いろいろと変化をもたらし、M-1はもっともっとおもしろい大会になると思うのです。

Dr.ハインリッヒが優勝し、「M-1」の「M」が真の意味で「漫才のM」になる、そんな2020年12月20日を夢見ています。

Dr.ハインリッヒのコンテンツ

Youtube

Dr. ハインリヒの漫才やトークは彼女たちのYoutubeチャンネルで見ることができます。

Dr.ハインリッヒチャンネル

Dr.ハインリッヒの公式チャンネルです。ネタ等アップしていきます。よろしくお願いします。

インタビュー

こちらで長尺のインタビューを読むことができます。

グラデーションの犬と、チャーハンを食べるデブの鰯:前半 インタビュー:Dr.ハインリッヒ|Feature|AMeeT

「色が全体的にパープルで尻尾の方がグリーンのみょうがみたいな犬」といった、脳内に風変りで美しいビジュアルイメージが思い浮かぶ言葉を用いるなど、他のお笑い芸人と一線を画す漫才師 Dr.ハインリッヒ。AMeeTではDr.ハインリッヒへの17,000字超えのロング・インタビューを前後半に分けて掲載する。インタビューは様々なテーマを含みながらも、全編を通して「常識・規範からの逸脱」が軸となっており、自由について考えるうえでとても大事な言葉が詰まっている。前半では2人の漫才のスタイルとスピリットを紐解くうえで重要な幼少の頃のエピソードや当時考えていたこと、なぜ一般的なボケとツッコミという関係性ではないかなどのお話を詳しく伺った。

グラデーションの犬と、チャーハンを食べるデブの鰯:後半 インタビュー:Dr.ハインリッヒ|Feature|AMeeT

「色が全体的にパープルで尻尾の方がグリーンのみょうがみたいな犬」といった、脳内に風変りで美しいビジュアルイメージが思い浮かぶ言葉を用いるなど、他のお笑い芸人と一線を画す漫才師 Dr.ハインリッヒ。AMeeTではDr.ハインリッヒへの17,000字超えのロング・インタビューを前後半に分けて掲載する。インタビューは様々なテーマを含みながらも、全編を通して「常識・規範からの逸脱」が軸となっており、自由について考えるうえでとても大事な言葉が詰まっている。後半ではネタ作りの工程や言葉の採用基準、そしてネタにおける「自由」「想像力」の扱い方について詳しく伺った。

文春オンラインのインタビュー、前後編ともに読みごたえがあります。

「“女のクソ仕事”が来ないようにしたい」『M-1』YouTube動画から異例のブレイク、Dr.ハインリッヒが語る“強烈”すぎた「トラウマ体験」 | 女芸人の今 | 文春オンライン

今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。 しかし、持って生まれた容姿や…

「M-1で優勝すれば、すべてがひっくり返ると思っていたのに」ラストイヤーで決勝を逃し…漫才コンビDr.ハインリッヒが語る「その後に待っていたもの」 | 女芸人の今 | 文春オンライン

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単独ライブに行ってきました。

Dr.ハインリッヒ(ドクターハインリッヒ) 単独ライブ 『原液、形而上学』 を体験してのこと 【日記】

お笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」の単独ライブを体験してきた。その存在を知り、未だ体験したことのないDr.ハインリッヒの漫才に魅了されたのは3年ほど前でしかない。Dr.ハインリッヒのYoutubeチャンネルを最初の動画から順番に視聴し「なぜ、もっと早くに知ることができなかったのか?」「大阪、あるいは


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