電子書籍を始めたい・乗り換えたい『honto』のススメ
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紙の書籍販売が終了となってしまいました。電子書籍は継続、紙の本は「e-hon」との外部連携で提供となります。詳しくは以下をご参照ください。
honto - 「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ - hontoからのお知らせ一覧
はじめに
「読書」してますか?
個人的な話で恐縮ですが、私はと言いますと「視力激落ち」「Netflixという名の時間泥棒」のダブルパンチにより、読書時間が減少気味の今日このごろです。
しかし素晴らしい本が日々出版され、その魅力に抗うことはできず眼精疲労と闘いながら読書を楽しんでいます。
紙の本と電子書籍
読書といえば、従来は紙の本があたりまえでしたが、昨今はマンガ専門・電子専門サービスが牽引により、電子書籍もだいぶ浸透してきたように感じます。
出版状況クロニクル カテゴリーの記事一覧 - 出版・読書メモランダム
出版と近代出版文化史をめぐるブログ
みなみなさまは、紙の本、電子書籍、どのように利用しているのでしょうか。非常に興味があるところですが、わたしは「半々」、いや本棚が溢れてしまった現在はやや電子書籍の購入機会が増えているといったところでしょうか。
本屋さん?ネット?書籍の購入手段
紙の書籍を購入する場合、みなさんはどのよう方法を選んでいますでしょうか。
さまざまな商品がオンライン購入できるようになった昨今、紙の本も今ではネットが主戦場に移行しつつあるのかもしれません。
調べてみると、新型コロナウイルスの影響もありネットショッピングの利用傾向はますます増加しつつ、リアル書店は大型店舗も次々に閉店するなど明暗を極めているのが実情なようです。
書店消失 ~ 私たちはどこで買い物するのか(中村智彦) - エキスパート - Yahoo!ニュース
・「京都でもか!」 正月が明けて一週間。ネットでも大きな話題となったのは、この2月末で大型書店「ジュンク堂」の京都店と名古屋店の2店同時閉店が発表されたことだった。 京都店は四条通りに面しており、19
一方で電子書籍の各社シェアも気になるところです。「アマゾン強し」は変わらずですが、電子書籍専門サービスが続々と増え、テレビCMや電車の中吊り広告でもよく見かけます。
電子書籍の市場規模、前年から2割増の3473億円に。利用サービスでは「Kindleストア」が僅差の1位【インプレス総研調べ】 | Web担当者Forum
「電子書籍ビジネス調査報告書2020」より調査内容を抜粋。
以上のように書籍の形態から購入手段までさまざまな選択肢がありますが、私は4年前に「脱・アマゾン」を宣言し、「ハイブリット型総合書店 honto」を利用しています。
Kindleからhontoに乗り換えてみた ~電子書籍サービス10社を比較
Kindleから別の電子書籍サービスへ乗り換えるために10社のサービスを比較しました。実際に乗り換えを行った「honto」のサービス内容を中心に各社の電子書籍サービスについてまとめています。乗り換えを検討されている方、電子書籍の利用を検討している方のお役に立ちましたら幸いです。
「ハイブリット型総合書店」というのは、「アマゾン」や「紀伊国屋ウェブ」と同様、「紙の本と電子書籍の両方を取り扱っている」ことを意味しています。
さきほどの記事にもありますように、書籍に関するサービスにおいて「アマゾン」が最強であり、サービスの充実度もナンバー・ワンだと思います。
それなのになぜ「honto」なのか?「honto」とはどんなサービスなのか?をお伝えするのがこの記事の主旨となります。
なぜ「脱・アマゾン → honto」なのか?
『「Kindle」から「honto」に乗り換えてみた』に詳しく書いたのですが、あまりにアマゾンに依存した生活を送っていたこと、アマゾンが徐々にEvilと化し始めた、この2点が「脱・アマゾン」へと私を駆り立てた主要因です。
まあ簡単にいうと「思想」です。
とくに後者の「アマゾンEvil化」について。
私は国境などという目に見えない概念などクソ喰らえ派なので「アマゾン」が海外企業である点は気になりませんが、出版というのはどうしても言語との結びつきから地域性を意識することが避けられないと考えています。
アマゾンは先進的なサービスを次々市場に投入するスゴイ企業だと思うのですが、その破壊的な手法は、たとえ日本の出版界が滅び去ることも厭わぬように思えるニュースが耳に入ることが増えてきました。
日本語話者であり日本語作品を愛する者の一人として、日本語の書き手・読み手・流通を大切にし、参加者の一人であることを公言し、発展に貢献してくれる企業のサービスを利用しよう!そうしよう!と、比較検討した結果、『honto』に至ったのです。
「honto」とは
長らく御託を並べてまいりましたが、「honto」について詳しく紹介をして行きたいと思います。
— honto - Wikipedia より引用honto(ホント)は、大日本印刷が運営するオンライン書店、マルチプラットフォーム型電子書籍配信・販売サイトである。
運営母体は国内印刷業界2強の一角「大日本印刷」です。(もう1つは「凸版印刷」)
とくに電子書籍は所有権が購入側にないサービスです。よって継続性は非常に重要です。運営母体が大きいことはメリットのひとつとしてカウントしても良いのではないでしょうか。
「honto」は紙の書籍のオンライン販売、電子書籍のほか、リアル書店と連携したサービスも行っています。
当初のサービスは2001年から、「honto」としては2010年から続く老舗といえるサービスなのです。
それでは「honto」が持つサービスの特徴をもう少し詳しく紹介してみたいと思います。
「honto」の特徴・オススメポイント
「紙の本」「電子書籍」両方を取り扱っている
電子書籍専門や紙の本をオンラインで買えるサービスは多々ありますが、意外と「どちらも」取り扱っているサービスは限られてきます。
「honto」は大丈夫、どちらも取り扱っていますしどちらも同じ検索窓で探すことができます。
そして電子書籍の方は常時さまざまなクーポンが配布されており、タイミングが良ければ割引率が高いクーポンでお得にお買い物ができたりします。
紙の本は、3,000円以上のお買い物で送料無料となります。(3,000円未満の場合は330円)
Amazonのように一冊でも無料というわけにはいきませんので、まとめ買いをするなどして送料を抑える工夫が必要です。
海外のように書籍の値引きやセールを認めてこなかった経緯により、価格についても流通においても電子書籍はかなり有利なサービスとして進化しているように感じます。
リアル書店と連携したサービスがある(共通ポイント・在庫検索)
「honto」は丸善・ジュンク堂・文教堂といった大型書店と連携したサービスを行っています。
通年サービスとしては、「共通ポイントサービス」と「各書店の在庫検索」があります。
その他キャンペーンとして、店舗受取りや、オンラインとリアル書店の両方利用でポイントが多くもらえるサービスなどもあったりしますが、共通ポイントサービスと在庫検索についてご紹介します。
共通ポイントサービス
hontoには、「hontoポイント」というポイントサービスがあります。
オンラインの場合(電子書籍・紙の本共通)はお買い物100円につき1ポイント、リアル書店(MARUZEN・ジュンク堂・文教堂・啓林堂書店)の場合はお買い物200円につき1ポイントが貯まります。
※使うときは、1ポイント=1円相当
ポイントの還元率はオンラインとリアル書店で2倍の違いがあります。
「せっかく連係しているリアル書店でのお買い物にメリットがないじゃないか」なるところですが、その点をうまくカバーしてくれる仕組みがあります。
リアル書店の利用において、hontoポイントは他のポイントサービスと連係し、同時を貯めることができる仕組みです。
連携可能なポイントサービスは以下の3つです。
- Ponta
- dポイント
- 楽天ポイント
さすがに3つすべては選べません。上記のいずれかを選び、hontoのポイントアプリやhontoポイントカードと連携しておくと、お買い物ごとにhontoポイントと同時に選択したポイントサービスのポイントが貯まるようになります。
ポイントの還元先は2箇所となりますが、還元率2倍。還元率だけ見ればオンラインと同じになります。
オンラインでも、リアルでもお得にお買い物ができるのはうれしいです。
各提携書店の在庫検索
事前にネットで店舗に本があるか確認し、あればそのままお取り置き予約ができます。
新書で配送を待っていられずすぐに必要な場合、どれぐらいの頻度で起こるかわかりませんが、そんなときはとてもありがたいサービスです。
発売から日が経ってしまい売れ筋でもないため在庫が少なくなってしまっているだろう漫画本、電子書籍版がない専門書などを購入する機会に私はよく利用しています。
ポイント・クーポンのコンボでKindleより安く買えることも
hontoにはさまざまなクーポンが常時配布されています。
その多くは電子書籍向けがほとんどですが、中には紙の本共通で数%を割引してくれるクーポンもあります。
クーポンの種類としては、期間限定で数十%OFFやジャンル、出版社単位で値引いてくれるものなどさまざまです。
タイミングよく高値引率のクーポンをゲットし、ポイントと組み合わせるとかなりお得にお買い物が可能です。
アマゾンのように書籍単位で値引きが入らないので、なるべくまとめて購入する必要が生じますが、時期によってはhontoの方が安く買えるなんてこともあったりします。
新規会員限定・電子書籍50%OFFクーポン!
hontoに新規アカウント登録をすると、もれなく電子書籍限定とはなりますが、50%OFFクーポンをもらうことができます。
割引金額の上限は5,000円、有効期間中に1回のみ、1回の注文の合計金額より50%が値引きされます。
かなりお得なクーポンなので、もしまだhontoを利用したことが無ければアカウント登録して50%OFFクーポンをゲットしてみてはいかがでしょうか。
紙で買ったら電子書籍は半額!読割50
これは他では聞いたことがない、なかなか素敵なサービスだと思います。
本の通販ストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂のhontoポイントサービス実施店にて対象の紙の本を購入してから5年間、同一タイトルの電子書籍が50%OFFで購入できるサービスです。
紙の本購入時に電子書籍が未発売の場合、紙の本購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。 — 読割50とは - honto
なるべく紙で買いたい本ってあるのですよね、思い入れがあって。しかし現実は厳しいもので、やがて本棚は限界に達してしまうのです。
そこで「読割50」の登場です。
「紙の本で購入してきたけど本棚がいっぱいになってきたので電子書籍に買い替えたい」、そんなお悩みを半額で請け負ってくれる、私にとっては神サービスだったりします。
他にも引っ越しや貸したりして紛失してしまった本、中古で売ってしまったけど電子で良いのでもう一度読みたい本など、さまざまなシチュエーションで役立つと思います。
無料で読める、お試し無料配信
昨今あたりまえになりつつある無料で読めるお試しサービスですが、もちろんhontoにもあります。
配信中のラインナップは毎月変更があり、これを書いている1月21日現在では、20,083作品が配信中となっています。
やはり漫画が多いですが小説や雑誌などもあるので新しい作品を見つけたり暇つぶしにとりあえず読んで見るなどもできますね。
しおり、ブックマーク等、多機能hontoビューワアプリ
電子書籍リーダーのいらない「hontoビューアアプリ」 - honto
hontoの電気書籍を読むにはアプリをインストールするのがオススメです。
ブラウザでも読むことができますが、アプリでは栞や好きな文章をマーキングするなど多くの機能を使うことができます。
アプリが対応している端末は以下のとおりです。
- Windows
- macOS
- Android
- iOS
ちなみにブラウザビューアは以下のブラウザに対応しています。
- Google Chrome
- Microsoft Edge
- Safari
アプリの主な特徴は以下のとおりです。
- 端末5台まで利用可能
- 進捗の共有
- ページブックマーク、文章マーキング
- ジャンルやシリーズ以外に任意のカテゴリで整理できる書棚機能
- フォントカスタマイズ
最近のビューワアプリはどこもそれほど違いはないと思いますし、hontoのアプリも必要十分な機能が備わっていると思います。
私はPC x 2、タブレット、スマホにインストールし、今のところ快適に利用することができています。
Bookmeterやブログに読書感想を書くので、ページブックマークや文章マーキング機能はかなり重宝しています。
マークした箇所を一覧で表示することもできるので、あとから気になった箇所を見返すのにとても便利です。
ブックキュレーターによる書籍のオススメがコーナーがある
hontoはブックキュレーターさんによるオススメページがとても充実しており、新しい本との出会いの場所として利用できます。
本の専門家が独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの“興味・関心”や“読んでなりたい気分”に沿ってご紹介!
ブックキュレーターさんの顔ぶれもなかなかです。
hontoブックキュレーター一覧 - hontoブックツリー
かなり幅広いジャンルの方が参加されており、当然のことながら紹介されている書籍も多岐にわたります。
私は読書メーターでフォローしている方々の感想や、このブックキュレーターさんのオススメから新しい書籍を探すことが多いです。
hontoユーザでなくとも、出版関連コンテンツとして楽しめるのでぜひ多くの方に知ってもらえるといいなと思っています。
ペアドク
これはまだ試したことがないのですが、興味のあるサービスです。
ペアドクとは?
2人でペアになって同じ本を読んで話す「ペア読書」から広がるサービスです。 — ペアドク:出会って30分で、素で話せる
ペアドク:出会って30分で、素で話せる|2人でペアになって同じ本を読んで話す「ペア読書」から広がるサービスとコミュニティ...
正確にはhontoのサービスというよりは、母体である大日本印刷が展開する読書を中心としたソーシャルサービスといった印象です。
読書は著者とつながりが生まれつつも非常に孤独な行為です。
かつて「読書は孤独で苦手」と言った人がいましたが、このサービスがあれば読書にハマってくれたりしたのかな?と思ったりもします。
さまざまなイベントを企画したりなかなか楽しそうなサービスでもあるので興味がある方はのぞいてみてはいかがでしょうか。
さいごに
ここまでつらつらとhontoの魅力について書き連ねて参りました。
もし興味を持っていただけたらぜひhontoを利用してみてほしいと思いますが、それ以上にみなさまがご自身にったサービスと出会い、より充実した読書ライフを過ごされることを願っています。
そして日本語の書籍文化が途絶えることなく、今後も素晴らしい作品が流通し続けてほしいものです。
長文・駄文にお付き合いいただきありがとうございました!
Top Photo by Aaron Burden on Unsplash