neputa note

#読書感想

img of 『新リア王』 高村薫 【読書感想】
7 min read
BOOK

父と子。その間に立ちはだかる壁はかくも高く険しいものなのか――。近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。

img of 『われわれはなぜ死ぬのか』 柳澤桂子 【読書感想】
18 min read
BOOK

私たちは、生れ、成長したあと、老いて死んでゆくものだと思っている。けれどDNAは受精の瞬間から、死に向けて時を刻み始めている。産声を上げる10ヶ月も前から、私たちは死に始めているのだ。生命が36億年の時をへて築きあげたこの巧妙な死の機構とはどのようなものなのだろうか?

img of 『ダック・コール』 稲見一良 【読書感想】
7 min read
BOOK

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る――絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。

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